【科学的根拠】まとめ03


ダニエルJブーアスティン
根拠に基づく腰痛治療(3)

■【初期評価】1:患者の年令、症状の内容とその期間、仕事や日常生活への影響、過去の治療に対する反応は腰痛の治療にとって重要である(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■2:がんの既往歴、原因不明の体重減少、免疫抑制剤や静注薬物の使用、尿路感染症の既往歴、安静時の疼痛増強と発熱は、がんや感染の可能性を示唆するレッドフラッグ(危険信号)とする。これらは50歳以上の患者で重要(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■3:馬尾症候群の徴候である膀胱機能障害やサドル麻痺を伴う下肢の筋力低下は、重大な神経障害を示唆するレッドフラッグ(危険信号)とする(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■4:外傷の既往歴(若年成人の高所からの転落や交通事故、高齢者や骨粗鬆症患者における転倒や重量物の挙上)は、骨折の可能性を念頭に置く必要がある(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■5:心理的・社会経済的問題などの非身体的因子は、腰痛の診断と治療を複雑にする可能性があるため、初期評価の段階で患者の心理的・社会経済的問題に注意を向けることが推奨される(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■6:疼痛図表(pain drawing)や可視疼痛計測表(visual analog scale)は病歴聴取に利用可能である(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■7:SLR(下肢伸展挙上)テストは若年成人の坐骨神経痛の評価に推奨されるが、脊柱管狭窄を有する高齢患者ではSLRが正常となる可能性がある(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■8:神経障害の有無の判定には、アキレス腱反射・膝蓋腱反射・母趾の背屈筋力テスト・知覚異常領域の確認といった神経学テストが推奨される(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■【画像検査】1:単純X線撮影は、最近の重度外傷(全年齢)・最近の軽度外傷(50歳以上)・長期のステロイド服用・骨粗鬆症・70歳以上というレッドフラッグがなければ、1ヶ月以内の急性腰痛の検査として推奨しない(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■2:腰椎の単純X線撮影は、最近の重度外傷(全年齢)・最近の軽度外傷(50歳以上)・長期のステロイド服用・骨粗鬆症・70歳以上というレッドフラッグがある場合、骨折を除外するために推奨する(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■3:単純X線検査にCBCとESRの併用は、がんや感染症の既往・37.8℃以上の発熱・静注薬の乱用・長期のステロイド服用・安静臥床で悪化する腰痛・原因不明の体重減少が存在する場合、腫瘍と感染症の鑑別に有効(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

覚書

成人の急性腰痛診療ガイドライン」では科学的事実を次の4段階に分類

  • A:強力な事実に即した根拠(多数の質の高い科学的研究)。
  • B:中等度の事実に即した根拠(1件の質の高い科学的研究か多数の妥当な科学的研究)。
  • C:限られた事実に即した根拠(腰痛患者に関する1件以上の妥当な科学的研究)。
  • D:事実に即した研究としては基準を満たさないと判断した研究)。

※しかし腰痛に関するRCTは全体の0.2%しかないため「A」の科学的事実は存在しない

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