【科学的根拠】まとめ05


ダニエルJブーアスティン
根拠に基づく腰痛治療(5)

■14:腰部椎間板ヘルニアによる神経根障害が疑われる患者に対するCTディスコグラフィーは、合併症のリスクが増大するために他の画像検査(CT、MRI)以上には推奨できない(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■15:鍼筋電図(EMG)とH反射は腰痛の有無に関わらず下肢症状が1ヶ月以上続く患者の神経機能障害の査定に有益と考えられる(確証度C)。16:理学検査で神経根症状の存在が明白なら電気生理学的検査は推奨しない(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■17:急性腰痛患者の評価に体表EMG(筋電図)とF波テストは推奨できない(確証度C)。18:SEPs(脊髄誘発電位)は脊柱管狭窄症と脊髄ミエロパシーが疑われる場合の評価に有用と考えられる確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■19:心理的・社会的・経済的因子は腰痛発症と治療成績に大きな影響を与える(確証度D)。20:レッドフラッグがないのに日常生活が困難な場合、検査や治療を追加する前に非現実的な期待や心理社会的因子を検討する(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■これからAHCPRの『成人の急性腰痛診療ガイドライン』が勧告している急性腰痛の治療について、【患者への情報】【薬物療法】【保存療法】【外科手術】に分けてエビデンスレベル(科学的根拠の確証度)を明記して紹介していきます。http://1.usa.gov/uhlYSO

■【患者への情報】1:速やかに回復する、効果的な改善策、無理のない生活様式、再発の予防法、レッドフラッグがなければ検査は不要、症状が長引く場合の検査法と治療法の有効性と危険性など、患者に正確な情報を与える。(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■2:急性腰痛の治療においては職場での腰痛教室(古典的な腰部の解剖学・姿勢・日常生活に関する教育)は臨床現場で行なう患者教育の助けになる(確証度C)。3:職場以外での腰痛教室の有効性はまだ証明されていない(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■4:急性腰痛にとっては長期間の安静臥床(安静に寝ている)よりも、痛みの許す範囲内で徐々に日常生活に戻る方が効果的(確証度B)。5:4日以上の安静臥床は筋力低下を招くために急性腰痛の治療として推奨できない(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■6:急性腰痛に安静臥床(安静に寝ている)の必要はない。ただし、主に下肢痛を訴える患者で初期症状が強い場合は、2~4日間の安静臥床を選択肢として選ぶことができる(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■7:急性腰痛患者は、長時間座り続けたり、重い物を持ち上げたり、物を持ち上げる際に腰を曲げたり捻ったりなど、脊柱に構造的負担がかかる特別な活動を一時的に制限したり避けたりることで楽に過ごせる可能性がある(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

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覚書

成人の急性腰痛診療ガイドライン」では科学的事実を次の4段階に分類

  • A:強力な事実に即した根拠(多数の質の高い科学的研究)。
  • B:中等度の事実に即した根拠(1件の質の高い科学的研究か多数の妥当な科学的研究)。
  • C:限られた事実に即した根拠(腰痛患者に関する1件以上の妥当な科学的研究)。
  • D:事実に即した研究としては基準を満たさないと判断した研究)。

※しかし腰痛に関するRCTは全体の0.2%しかないため「A」の科学的事実は存在しない

 

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